前期課程修了式
2024年3月18日 17時09分今日は、北風が強く、肌寒く感じる日となりましたが、晴天に恵まれ前期課程修了式を予定通り実施しました。義務教育課程を修了しました修了生の皆さん、おめでとうございます。これからの学びは、自らの意志で選択した高校教育となります。それぞれが心のギアを一段階上げ、新たな目標に向かって前進してください。修了生の皆さんが、それぞれの与えられた環境で強く逞しく成長してくれることを願っています。本日御多用の中、御来校いただきました保護者の皆様、ありがとうございました。
修了式では、以下のことを修了生に伝えました。
【式辞】
先日、宇和島から桜便りが届き、本格的な春の到来を実感できるようになりました。本日ここに、PTA副会長 武内 康 様の御臨席と保護者の皆様の御列席を賜り、令和五年度愛媛県立宇和島南中等教育学校 前期課程修了式が、こうして挙行できますことは、在校生並びに教職員一同大きな喜びであります。学校を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。
ただ今、修了証書を授与いたしました118名の皆さん、前期課程修了おめでとうございます。皆さんのこれまでの努力に対し、心からの拍手を送ります。
さて、皆さんにとって前期課程での生活はどうだったでしょうか。入学後約2年間は、新型コロナ感染症対策のために、皆さんの学校生活は通常通りということにはなりませんでした。マスク着用のためにお互いの表情も分からず、毎日の給食は黙食となり、体育祭、文化祭などの学校行事も規制を設けて行わざるを得ない状況でした。今年度になって、ようやく従前の学校生活を取り戻しました。特に、皆さんが修学旅行を仲間と共に満喫できたことは本当にうれしく、印象に残っています。今は、楽しかったこと、辛かったこと、感動したこと、たくさんの思い出が、浮かんでくることと思います。これからも、苦楽をともにした仲間との絆を大切にしてほしいと思います。
これから皆さんはそれぞれの夢や希望を持って、後期課程又は他校への進学等をしますが、皆さんに違いを理解してほしい二つの漢字を伝えます。
わたしは、「学校とは、社会での『自立』を目的とする教育機関で、主体的に生きる力を育てるところである。さらに、後期課程、高校は、自分の生きる道や方向を探すところ、つまり、『自律』への道を歩むところでもある。」と考えています。
今話しました、先の「ジリツ」はこちら「自立」で、後の「ジリツ」はこちら「自律」となります。こちらの「自立」は、自分の力で立ち上がる独り立ちのことであるのに対し、こちらの「自律」は、立ち上がった後に自分の意志で進むべき方向性を決める独り立ちのことです。皆さんは、これから自分自身が選択した次のステージに進み、そこで、自らを高めていくことになります。すなわち、前期課程で成し遂げたであろう「自立」をもとに、次のステージで「自律」への道を歩むことになります。その過程の中で、新たな経験を積み重ね、自らの可能性を広げてください。
皆さんは、先行き不透明で予測が困難な「VUCA」と呼ばれる時代を生き抜いていかねばなりません。そのような中、自分としての軸をしっかりと固め、多様な価値観に触れることや多様な人々との関わりの中で、自らを高め、夢や目標に向けた努力を継続させてください。
本校を巣立っていく皆さん。皆さんとお別れすることは、大変残念に思いますが、皆さんが新しい環境の中で最善を尽くし、充実した生活が送れることを心から願っております。どうか、本校の校訓である「自主」「自律」「健康」の精神を忘れることなく、「自ら学び、探究する心」「責任ある選択と積極的な行動」「自他の命や体を大切にする感性」を身に付けた、世の中の有為な人材となるための努力を積み重ねてください。皆さんを、在校生、教職員でこれからも応援しています。
保護者の皆様におかれましては、小学校の多くの仲間が地元の公立中学校へ進む中、一抹の不安を持って、本校に送り出したときの、あの初々しい顔が、いつの間にか逞しさと自信に溢れた顔に変わっているのを目の当たりし、感慨もひとしおのことと思います。心も身体も発育の著しい時期ということで、御苦労も多かったことと思いますが、御子息はわずか三年の間に、ここまで変わりました。後期課程、もしくは新しい環境での三年間で、更なる変貌を遂げることと思いますが、それは、大人へと成長を続けている証であり、明るい未来を象徴する変貌であると確信しています。どうかいつまでもその温かい眼差しで御子息を見守り続けてください。
終わりになりましたが、保護者の皆様方には、本校教育に対しましての、これまでの御理解と御協力に、深く感謝を申し上げます。今後とも、変わらぬ御支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
本日、義務教育を修了した皆さんの、前途が洋々たるものであることを祈念して、式辞といたします。